「がんばれない」けど「がんばりたい」

ITエンジニアの仕事のこと。AI、機械学習、ディープラーニング。地頭力。車のこと。

抽象化思考力

f:id:studio23c:20171020170947j:plain


地頭力』に必要な思考力3つのうち、前回まで仮説思考フレームワーク思考について書いてきましたが、今回は最後の『抽象化思考力』について紹介してみようと。

 

 

 

1)抽象化思考力とは? 抽象化思考力のポイント

  1. 対象の最大の特徴を抽出して「純化」「モデル化」した後に一般解を導き出して、それを再び具体化して個別解を導く思考パターンである。

  2. キーワード|①モデル化 ②枝葉の切り捨て ③アナロジー(類推)


 

2)なぜ必要なのか?

抽象化思考は「限られた知識の応用範囲を飛躍的に広げるため。」に必要。これを行うことによって、解をパターン化し、類似の課題解決に用いることが出来れば、時間的コストを少なくすることが出来る。また抽象化された任意のモデルを別の課題に当てはめる(アナロジー)ことで、さらに時間の短縮を狙うことが出来ます。




3)抽象化のプロセス

  1. 抽象化・モデル化
    ・課題の対象とする事象の特徴を抽出して一般化し、
     取り扱いが簡単な形にすること。
     いきなり課題に対して具体的な解決策を、あえて設けないことが
     ポイント。

  2. 抽象化したモデルにおける解の導出
    ・1. でも書いたが、あえて具体レベルではなく、一度抽象レベルに
     引き上げて解を導く。その理由は....
     『基本的な理由は格段に解を導く可能性が広がる』ためである。

     具体レベルで解を導くことは、
     1つ、もしくは少ない解を導くことになってしまう。

      *1. モデル化して事象をシンプルにすることによって解が導きやすくなる。
      *2. 既に存在している公式や法則が使える
      *3. 公式化まではされていないが、
          類似の経験をした先人の知恵を利用することができる。

  3.  「上のレベル」(抽象化)で導かれた解を再び具体化して
     我々がもともと求めている解に導く




4)共通の性質から応用力を広げる!

プロセスの1.で記載したように、一般化して取り扱いが簡単な扱いにするというのは、別の言い方で言うと、「共通点を探す」「パターンを認識する」という思考行為と言ええる。身の回りで起きている課題を1つ1つ個別に説いていたら、いくら時間があっても足りないし、過去の類似の経験を生かすことも出来ない。そういう点で、抽象化思考の能力は「考える」という行為の中でも最も基本かつ重要と言える能力であると。では、モデル化してシンプルに考えるとは、具体的にどんな方法や切り口があるのか?

  1. 自然科学の標準アプローチ法
    典型的なものとしては、数学や物理学などの自然科学の分野

  2. 図解でモデル化の力を鍛える
    フレームワーク思考でも取り上げたが、そもそも図解することというのは、特徴を捉える点でモデル化の発想であり、図形化の訓練をするということはモデル化の訓練そのものと言っても良い。

  3. 枝葉を切り捨てる
    枝葉とは本質と関係のない部分。ちなみに「枝葉を切り捨てる」ということの最大の敵は、枝葉にこだわっている人にありがち。これらの人は、それが枝葉であることに気づいていない
    では「枝葉である」かどうかを判断するにはどうしたら良いか。


    まず基本的に「最終目的に対しての合致性」がポイントである。最終的に関係のないものは全て「枝葉」と考えて良い。
    さらに「最終結果に対しての影響度合いの大きさ」である。影響度合いが総体的に小さいものは、すべて枝葉と判断できる。

    このように「枝葉」を切り捨てることは、抽象化にとって重要なことなのだが、自分が詳しい分野になればなるほど、余計な情報に惑わされてしまうというジレンマがある。専門外の分野に対しては、大胆な単純化が出来たり、枝葉を切り捨てることができるが、知っているが故に、その情報が枝葉であると判断できないものだったりする。このあたりは、気をつけたい。

 


 

5)アナロジーで考える

プロセスの2番目で記述したように問題を一旦、抽象化した上で解を導くことを行うということを別の視点で表現すると、直面する課題というのは表面的には違った形に見えるが実はすでに同じ原因やメカニズムで起こっているというのがほとんどということと言える。「先人の知恵」を拝借し1から問題を解決しなくても問題解決を図ることが出来る。



6)「自分は特殊である」という”思いこみ”を排除する

アナロジーや抽象化思考で考える時には、この思い込みを廃城することが重要。確かに特殊な部分もあるかもしれないが、部分的には、共通している箇所が多いことが往々にしてある。
2つの事象を比較してまず共通点から見るのと、相違点から見るのでは全く異なった価値観になる。

まず「相違点から見る」というのは、地頭力に一番必要な「考える」という姿勢を拒否した思考停止の状態に陥ることを意味する。
そのため、部分的にでも抽象化・一般化できないか他の事例や歴史や一般法則から学べることがないかと考えて見ることが非常に必要なこと。



 

7)『単純に考える』とは。

モデル化、単純化で枝葉を切り落とし課題をシンプルにするというアクションは、深く考えないということではなく、むしろ、その逆であるということをあえて書いておく。

突き詰めた結果到達した本質、つまり「要するにそれは何なのか?」という質問に対する答えは非常にシンプルなものになる。




8)抽象化思考の留意事項

  • 抽象化と具体化をうまく組み合わせるべし
    ・抽象化の世界に染まるために、具体性がなく、
     一般の人に説明するにも過度に抽象化された言葉を使ってしまって
     理解されない。その場合には「たとえ話」「アナロジー」を使うことも有効。

  • 「過度の一般化」にも注意
    ・しかしながら人間の特性として「自分を必要以上に特殊視する」という
     反面で「他者を必要以上に一般化する」ということがある。
     例えばあまりなじみのない他国の人の特別な言動をみて
     「〇〇人はすぐXXする」とか、普段つきあいのない世界の人と
      少し話しをしただけで「**の業界は▲だ」といった偏見をもったり
      即断をしたりしがちであるが、抽象化思考に必要なのは
      過度に特殊化したり一般化するのではなく
      事象の持つ性質を正確に見極めて切り分けた上共通の部分は共通として
      取り扱うとともに、相違する部分も正確に把握していくという姿勢。

「近頃の若いもんは」「最近の学生は・・」が口癖の人は2つの点で注意。1つは「他者の過度の一般化」。2点目は、「自己の特殊化(自分の世代だけは、もっとましだった)」である。